高い年会費にはワケがある!年会費で法人用クレジットカードを比較しました

法人用クレジットカードを選ぶ際には、色々な基準がありますが、その中の1つに「年会費」が挙げられます。毎年かかるランニングコストだけに、できればあまり高くないほうがいいというのが、経営者の皆様の共通する希望ではないでしょうか。

そこで今回は、年会費ごとに法人カードを比較検討していきます。自社で所有するべき法人カードを選択する際の参考にしてください。

 

無料ならいいってもんじゃない!

まず考えていきたいのは「年会費無料」の法人カードに関してです。ランニングコストはできるだけ安く抑えたいというのは、経営的な観点からも非常に納得できることなのですが、法人カードを選択する際には、年会費無料のカードはできる限り検討対象から外したほうが無難です。

なぜかというと年会費無料のカードというのは、年会費がかからない分、付帯しているサービスもそれなりのものになってしまうからです。いわゆる「安かろう悪かろう」ですね。

決して「悪い」というわけではなく、あくまで「不十分」といった程度なのですが、法人カードは経営をサポートしてくれる重要なツールなので、できればその性能をフルに活用したいところです。年会費無料、というのは非常に魅力的ですが、しっかりと付帯サービスなども吟味した上で、それに見合った年会費であるかどうかを判断することのほうが重要です。

 

法人用カードの年会費は経費として計上できる

年会費の高い安いで悩んでいる経営者の方にとって、朗報となるのは、「法人用カードの年会費は経費として計上ができる」ということです。

法人用カードの使い道というのは、あくまで「事業用」なので、発生した費用はすべて経費として計上することが可能なのです。これにより、「年会費が少し高いから・・・」とあきらめる必要はなくなるわけです。

ただし注意しておきたいのは、特に個人事業主の方の場合などで、法人用カードをプライベートでも利用している場合には、法人用カードの年会費を経費として計上できるかは微妙です。

「年間○万円以上プライベートで利用している場合には、経費として計上することができない」というような具体的な規則があるわけではないので、不安な個人事業主の方は、一度税理士の人などに相談して判断を仰ぐといいでしょう。

 

たったこれだけでこの違い! コスパ抜群の低額年会費カード

ではここからは、年会費別にオススメの法人カードを紹介していきます。まずは年会費が低額な法人用カードからです。

JCB法人カード(一般)

JCB法人カード(一般)の年会費は1,250円(税抜)で、法人カードの中ではかなり安い部類に入ります。しかも、出張管理が楽にできる「JCB de JAL ONLINE」など、個人事業主の方にとってはありがたいサービスが充実しています。JCBブランドのカードなので、国内での利便性に関しても心配ありません。

また、法人カードのポイント還元率は、一般的なクレジットカードと比べると見劣りがする場合が多いのですが、本カードのポイント還元率は0.5%と法人カードの中では比較的高い還元率となっています。貯まったポイントで、社内の消耗品を購入するといった用途でも利用できそうです。

オリコビジネスカードGold

オリコビジネスカードGoldは、ゴールドカードでありながら、2,000円(税抜)という年会費が魅力です。また、最大20枚まで追加カードが発行できるようになっているため、社員一人一人に個別の法人用カードを持たせてたいと考えている、中小企業の経営者の方におすすめしやすいカードです。

ただし、ポイントサービスは付帯していません。ポイントを利用して会社の備品の購入などをしようと思っている場合には、他の法人クレジットカードを検討する必要があります。

三井住友ビジネスカード クラシック(一般)

三井住友ビジネスカード クラシック(一般)には、VisaビジネスオファーやVisaビジネスグルメオファーといった、ビジネスシーンで有効活用できるサービスが多数付帯しています。

三井住友VISAカードのプロパーカードで、対外的な信頼性もバッチリでありながら、1,250円(税抜)という格安の年会費で、個人事業主の方や中小企業の経営者の方など、どなたにもおすすめできる法人用カードとなっています。

 

上級サービスで対費用効果も大満足! 年会費10,000円以上のカード

続いては、先ほどよりは少し年会費が高くなりますが、その分より優れた付帯サービスを利用することができ、費用対効果という点で十分満足できる法人用カードです。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード

設立後間もない、若い法人経営者の方におすすめしたいのが、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードです。四半期管理レポートやビジネスセービングなどの付帯サービスももちろん便利なのですが、最も注目すべきはカードが発行されやすいことです。

会社としての信用という点も調査される法人カードの審査において、若い法人は比較的不利になることが多いですが、本カードの場合は、若い法人でも審査通過できる可能性があるという点が最大のメリットです。年会費は12,000円(税抜)となっていますが、それだけの年会費を払ってでも、法人設立後すぐにカードを所有したいという方にはおすすめです。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネスカードの1つ上のランクの法人カードが、本カードです。年会費は26,000円(税抜)と、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードよりも高くなっていますが、「エアポート送迎サービス」や「手荷物無料宅配サービス」といった便利なサービスに加えて、コンシェルジュデスクも利用できるようになっています。

追加カードの年会費も12,000円(税抜)となっているため、何枚も追加カードを発行するといった利用法はできませんが、法人用カードを利用する人が限られているような会社で、質の高いサービスを享受したいという場合にはおすすめできます。

ダイナースクラブビジネスカード

ダイナースクラブビジネスカードには、ビジネスに特化したサービスが多数付帯しています。 税務・資金調達、人事・労務、法務といった6分野の専門のプロフェッショナルに経営面でのアドバイスを受けることのできる「ダイナースクラブプライベートアドバイザーサービス」や、ダイナースクラブビジネスカードの利用データを登録することができる会計ソフトの「freee(フリー)」など、他の法人用カードにはないサービスがたくさんあります。

年会費は27,000円(税抜)で今回紹介した中では最も高い年会費となっていますが、その年会費に見合う以上のサービスを受けられることは間違いありません。

 

大切なのはそのサービスが法人のニーズとマッチしているかということ

以上、年会費別のおすすめ法人カードを紹介してきましたが、それぞれの法人が置かれている状況や抱えている問題によって、おすすめの法人用カードは変わります。「年会費が安いからサービスがイマイチだ」「年会費が高いから我が社にピッタリのサービスを受けることができる」というわけでは、必ずしもないのです。

「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」ということわざにもあるように、過剰なサービスは、本当の意味でその会社のためにはなっていないといえます。それぞれのカードが提供するサービスが、自社に合っているかということをしっかり検討した上で、法人用カードの選択を行うことが重要です。